文学館の収蔵庫見学に行ってきました!

ゑむゑむ@バーズ

6月28日(土)、三浦綾子記念文学館で行われた収蔵庫見学に参加してきました!

文学館の中の、普段は立ち入れない収蔵庫を特別に見せていただける、いわばバックヤードツアーです。
氷点カレッジの受講者を対象に、無料で参加できる課外授業の1つとして開催されています。

わたしは氷点カレッジの暮らしコースを受講しているので、ツアーの参加資格をいただいていました*
(しかし、恥ずかしながら当日までこの仕組みをわかっておらず、終了後に「参加費おいくらでしたっけ??」とすっとぼけたことを聞いてしまいました笑)

ですが、それだけ充実した時間だったのです!
追加料金を払ってもよいと思うほどに!!

収蔵庫や収容物の写真はありませんが、貴重なものをたっくさん見せていただき&貴重なお話をたっくさん聞かせていただきましたので、ほんの少しでもその雰囲気が伝わればと思います!

それではどうぞ♪


開始時間の少し前に文学館におじゃまして、まだ見ていなかった今年の企画展を見ました。
そろそろ始まるなと思い1階におりていくと、わりとお客さんがいたので「きっとこの人たちも参加するのだろうなあ~」と思って、売店のあたりをうろうろしていました。

ほどなくして、スタッフさんから「見学参加者の方ですか?」とたずねられました。
そして、満を持してツアーガイド難波さん登場!! いつもお世話になっております。

どうぞ~と事務室に通されたのは、なんとわたし1人。
「えっ!? 今日わたしだけですか!?!!?」と聞くと、そうですと・・・
(ちなみに:収蔵庫見学は、1回10名ほどの参加者を見込んでいるそうです。勘違いするのもやむなし。。。笑)

というわけで、1時間みっちりマンツーで案内していただきました!


持参した白手袋をはいて(北海道弁)、いざ収蔵庫へ・・・!
庫内はそこまで広くはなく、可動式の書架(レバーをぐるぐるするとスライドするやつ)がぎっちり並んでいて、まるで書架でできた迷路のようでした。

収容物をざっくり大まかに分けると、
掲載雑誌・新聞の原本」「直筆原稿(箱入り)」「前川さん監修のアララギ原本」「現地取材時の写真がおさめられたアルバム」「ドラマの台本」「挿絵の原版」「綾子さんから光世さんに贈られた初版本(直筆メッセージ入り)」「本人たちが書いたもの」「作品執筆時の参考資料」「三浦家にあった置物」その他、未分類のものも含めてもろもろ・・・

そして、このうちの何点かは、実際に手に取って見せていただきました・・・!

『果て遠き丘』のドラマ脚本は、1話の冒頭で香也子嬢が何かのデザインの賞を受賞していて、思わず「こんな展開ありましたっけ・・・?」と聞いてしまいました。(ないです)
他にも、セリフをぱらっと読んだだけでも香也子嬢の性格がかなりマイルドになっていてびっくり。
(ドラマのあらすじ・キャストはこちらのサイトに載っているのを見つけました!→テレビドラマデータベース『果て遠き丘』
香也子役には、当時人気絶頂だった秋吉久美子さんが据えられており、まさに主役だったのでしょう。一方、恵理子さんは空気でした


また、『天北原野』の取材で三浦夫妻が宗谷におとずれた際のアルバムも見せていただきました!

防波堤ドームや

豊富のサロベツ原野

九人の乙女の碑

ノシャップ岬

などなど!
こちらに掲載したのはいずれも、ここ数年で撮影したものですが、当時の写真と現在との違いが見てとれておもしろかったです!


難波さんにうかがった話の中でとても興味深かったのは、
雑誌に掲載されたものと書籍化されたものは、同じ作品でも別物である(という難波さんの考え)
です。

すなわち、初めて世に出たのが雑誌の連載であれば、掲載当時のレイアウト(段組やページ数、文字の書体、挿絵、広告の有無や内容)、当時の世相や、その雑誌の購買層やその興味・関心・ニーズなども含めて作品を俯瞰することが重要なのでは、とおっしゃっていました。

そもそも、本として出版する際に、出版社や担当編集者の意向で加筆・修正が加えられることもあるそうで、連載からの四六判、からの文庫本、は別物という感じがしますとのこと。

わたしは、そういった差異に着目したことは今までで一度もなく、価格や持ち運びの便利さなどから勝手に文庫本派を謳っていました。
ですが、細かなニュアンスまで感じ取るにはそれぞれの版で比較・検討することが大事なんですね~。

難波さんは
「作品を楽しむだけなら気にしなくてもよい、とてもマニアックな話です笑」
とおっしゃっていましたが笑


ほか、資料保存や分類の難しさのお話もうかがいました。
1つの資料に対して、いくつかの視点で分類していく(SNSなどでいうタグ付け)そうなのですが、どういった切り口で分類していけばよいのか、など。。。

文学館は、博物館のような資料保存の役割も担っているので、資料開示の要請にもお応えするそうなのですが、思ってもみないところからアプローチが来ると照会に時間がかかるそうで・・・

同時に、資料のデジタル化も少しずつ進めているそうで、「ここ最近、びっくりするぐらいAIが賢くなりましたからね~!」という話にもなりました。笑

それと、保存環境的な話だと、当日外は28度ぐらいまで気温が上がっていたのですが、庫内は温湿度計や空調設備などで温度・湿度が管理されていて、とても過ごしやすかったです。
あくまで体感ですが、資料にとっての適温は、人間にとっても適温なんですね~。


・・・などなどなど、貴重な体験をさせていただき、1時間がものすごくあっという間でした!!

一部の資料を除き、難波さんが書架を指して「この中からどれでもお好きなものをご覧になってください!」(イメージ:すしざんまいのポーズ)とおっしゃった中から、自由に手に取らせていただきました・・・!
氷点カレッジを受講するほどの訓練されしミウラーならばきっと、どれを選んで見ても、大変有意義なお話が聞けると思います!

また、「#綾活 のゑむゑむの記事を読みました」と言えば、この記事をふまえたさらにadvancedな内容を聞かせていただけると思います(*勝手に言っています)。

わたしが参加したのは年6回のうち2回目で、収蔵庫見学はあと4回開催される予定です。
氷点カレッジを受講されている方はぜひ! 貴重な体験ができますので、参加してみてください*

(余談:ツアーも終わろうとしているとき、不意に謎の咳がゑむゑむを襲い、声がガラガラになってしまいました笑 今までホコリやハウスダストにやられた経験はないので真相は闇の中ですが、難波さんは「三浦綾子のホコリにやられましたかね」とニヤリ。もし気になる方はマスクをされるとよいかもしれないです!)

ゑむゑむ@バーズ

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